40th Anniversary | 40周年記念特集

「日日是憂日」

去年――2019年が、もう、はるか昔のように思い出されます。

5月14日、小松氏から、6月、7月のコンサートも延期になったとの連絡があり、「だよな」と分かってはいても、やはり落胆。強く危惧するのは、仮に緊急事態宣言がすべて解除されたとしても、人と人との間隔をあける「ソーシャル・ディスタンス」とやらが解かれない限り、無理ではないかということ。そこが、この先、一番のネックだと思っています。いつでも準備はオッケーなんですがねぇ。歯がゆいです。いつか皆さんの前で歌って演奏できる日がくることを、願ってやまないです。

さて、今はというと、午前中から2時半ごろまで仕事部屋で、なんだかんだとやっています。夕方からは、あっちこっちのニュースを観ながら、コロナで苦しんでいる人たちに憐憫の目を向けて(小生も、小生と共に動いてくれているメンバー・スタッフも、大きな打撃を受けています)、特に政府に向けて不満を垂れたり。また、去年から続けている断捨離、映画鑑賞なども。

映画は、成瀬巳喜男作品の「乱れる」、吉村公三郎作品の「越前竹人形」を観ました。若いころに観て「いい映画だな」と思った作品ですが、今観ても「やっぱりいいな」と。当時以上にそう思えて、間違いなく素晴らしい映画だと再確認しました。今では、このような映画は作れないでしょう。スーパー・メロドラマで、とてもとても美しく、悲しい映画です。高峰秀子さん、若尾文子さんが、とても美しい。なお、2作品ともAmazonで購入できます。

テレビでは、楽しみにしている「NHK杯将棋トーナメント」。実は今、残念ながらコロナの影響で対戦が中断されているのですが、代わりにアーカイブスが放映されています。先日は、1989年の羽生善治(当時18歳)と加藤一二三の対戦を懐かしく観ました。この番組は、いつもビデオに録り、かみさんが寝たあと、一人で観ています。いつもなら、ちょっと早送りしながら観るのですが、この対戦は、司会が今は亡き「近代将棋」編集長の永井英明氏、解説も、今は亡き名棋士・名解説の米長邦男氏だったので、ノーカットで観戦。最後に羽生が驚きの一手「5二銀打」を放ち、加藤九段が投了するという、とても印象的な一戦です。当時もリアルタイムで観ていたのですが、再び観ることができて、とても有意義な時間を過ごすことができました。

将棋の話で恐縮ですが、もう少し。80年代に「将棋界のプリンス」と呼ばれたイケメン、真部一男氏(2007年、55歳没)は、向田邦子さんとの対談で「プロの将棋とは?」と問われ、「アマより強いことです」と答えました。プロとアマの差が一番大きいのは将棋だと言われています。中断前のNHK杯テレビ将棋トーナメントでは、木村王位と行方九段が対戦し、終盤、一分将棋になりながらも、41手詰めで行方九段が勝ちましたが、こんな将棋を見せられたら、とてもアマチュアが勝てるわけないな、と。真部氏の答えは名言だと思います。因みに、政治評論家の小沢遼子さん(最近、お見かけしません)が真部氏の内妻であったこと、これも当時は驚きでした。

読書は、お気に入りの本を再読しております。外出は二日に一度、かみさんとスーパーに買い物に出かけるぐらい。ほとんど家にいるので、タバコの本数が増え、なんだかんだと食べてしまうので、少々、太り気味です。まあ、そんな毎日を送っております。

それでは皆さん、また。御機嫌よう。

2020年6月1日
来生たかお


トークセッションVol.1  トークセッションVol.2
「日日是好日」
「タバコについて」
「光陰矢の如し」
「人生はペーソスだな」
「犬も歩けば・・・」
「喉元過ぎても来生たかお」
「断捨離始めました」
「僕が好きな映画(洋画編)」
「散る桜、残るサクラも散る桜 嗚呼!」
「志村けんさんの死」
「雑文」
「日々是憂日」【new!】