「’24. K-⑨」
皆さん、お元気ですか? 来生たかおです。
熊本、福岡でのライブを終え、帰宅して翌日、25日にしたためております。
7月、8月、そして9月に入っても「もう、なんじゃい!」というくらい猛暑日が続いていたのが、突如、秋がやって来たようで驚いています。これまでの猛暑が嘘のようですね。急な寒暖差、お体には気をつけてください。
小生は、この猛暑の間は、まだコロナも密かに増えているようなので、「不要不急」の外出を控え、かみさんと夕食の買い物に行くぐらいで、ほとんど家におりました。朝は9時~9時半ごろに起きるんですが、我が家はテレ朝を観ていて、その時間は「羽鳥慎一モーニングショー」の、もう後半の頃になります。なんとなく、ぼーっと観ながらコーヒー、タバコを飲み、軽く朝食をとって、そのあとの高田純次氏の「じゅん散歩」を観て、仕事部屋に行って、だいたい2時~3時ぐらいまで閉じこもります。そのあとは、あまり観たいテレビ番組もなかったので、NetflixやWOWOWで映画をたくさん観て過ごしました。良いと思った映画がいくつかありますので、1本、紹介しますね。
フィンランドの監督、アキ・カウリスマキ氏の作品「枯れ葉」。人生の哀歓を詠って、常に社会の底辺で生きる人たちを描いていて、「人生はペーソスだな」と感じさせる映画です。この監督は、日本の小津安二郎氏を敬愛しているとのことで、セリフは棒読みで少なく、無表情で、映像は美しい。まさに小津調なんですね。独特のタッチで、もう救いようがないんですが、ふんわりさせてくれる。脚本、編集も上手い。また、カラオケバーで姉妹のポップデュオ「マウステテュトット」が歌う『悲しみに生まれ、失望を身にまとう』という歌も、強く印象に残ります。ワンちゃんも良かったですよ。
この監督の作品では、90年代の「浮き雲」もお勧めします。成瀬巳喜男監督の名作と同タイトルですが、異なる作品です。小林聡美さん、片桐はいりさん、もたいまさこさん主演の「かもめ食堂」という、ほのぼのとした良い映画がありますが、「かもめ食堂」は、アキ・カウリスマキ監督の「浮き雲」がヒントになったそうですよ。
さて、10月からデビュー49年目に入りますが、Acoustic Tracksツアーは10月まで続きます。そのあとはクリスマスライブです。今年は、大阪・サンケイホールブリーゼと東京・文京シビックホールで行います。是非、いらしてくださいね。
それでは、今回はこのあたりで。ご機嫌よう。
9月25日 来生たかお