’25. K-②
脚本家の山田太一氏は、あるエッセイで、詩人・山之口獏氏の「ひとたび生まれてきたからには、もうそれでおしまいなのだ」という一節を引用していました。
人は生まれてきた以上、何事もポジティブに考え、生きることが大切なんだとは思いますが、結局のところ、やはり「人生はペーソスだな」と、うだうだと思いふけってしまう自分がいて、この詩についつい頷いてしまいます。
今年はデビュー50周年を迎えるツアーになりますが、今まで以上に郷愁感、哀愁感のあるライブをお届けしたいと、そう考えています。それが小生の人生観、音楽観だと……。
皆さんには、はかない、せつない思い出もあろうかと思いますが、それらは胸におさめ、良い思い出を呼び起こしていただけたら。そんな思いで、今回、ツアーのサブタイトルに「ノスタルジーへの誘い」と添えました。
これから寒さもおさまり、過ごしやすい季節を迎えるとは思いますが、くれぐれも油断せず、お体には気を付けて過ごされますよう願っております。
2月末日 来生たかお