’25. K-③
皆さん、お元気ですか? 来生たかおです
桜も開花し、いい季節になりましたね。
去年、ミミを連れて小金井公園に行こうと予定していたのですが、当日、激しい雨のため行けなかったので、今年は出かけてみようと思っています。小金井公園の桜は素晴らしいので、皆さんも出かけてみてはどうでしょうか。
さて、最近観て「いいな」と思ったドラマ、映画などをご紹介します。
まず、今月、NHK BSで放送された俳優・近藤正臣氏(83歳)の「妻亡きあとに~近藤正臣 郡上八幡ひとり暮らし~」。岐阜県郡上八幡に移住し、穏やかな老後を過ごす予定だったのですが、妻が認知症を発症し、1年半前に亡くなってからのひとり暮らしを紹介した番組でした。“老い”や“孤独”の日々を見つめながらも、食事、洗濯、掃除、車の運転も自分でする。今でも常にタバコを放さず、死もまったく恐れず、達観した姿は見事で感服しました(一緒に暮らす猫もかわいかった)。そして、自分だったらどうだろうかと考えさせられましたね。
先月、同じくNHK BSで放送されたドラマ「憶えのない殺人」も良かった。長年、東京郊外の駐在所に勤務し、10年前に退職して、今でも同じ町内に暮らしている、実直で町の人からも慕われていた元警察官に殺人の嫌疑がかけられる。殺人現場の近くにいた物的証拠、指紋も見つかっているが、元警察官は強く否定する。実は、その元警察官は認知症を患っていて、まったく記憶がないんですね。果たして、彼は本当に殺人を犯したのか、というドラマで、なかなか見応えがありました。元警察官を小林薫、刑事を尾野真千子が演じています。
最後は映画「ロストケア」です。これは大変重いテーマの映画ですが、観ておいたほうがいいと思います。訪問介護センターで働く介護士(松山ケンイチ)は、スタッフや介護家族からも慕われる心やさしい青年ですが、実は介護していた老人41人(のちに42人だと判明する)を殺していた。彼を追い詰めるのが検事(長澤まさみ)です。2016年に障害者施設で働いていた植松死刑囚が入所者など45人を殺傷した「やまゆり園事件」を思い出しますが、実は、「ロストケア」の原作は、その事件の3年前に書かれており、むしろ植松死刑囚のほうが触発されたのではないかと……
この映画で介護士・松山ケンイチは、殺人ではなく「救い」だと主張するんですね。検事・長澤まさみも追い詰める中で心を揺さぶられていくという内容で、これも大変考えさせられる、見応えのある映画でした。お勧めします。
それでは、今回はこの辺りで。皆さん、ご機嫌よう。
3月末日 来生たかお
追伸
今年も3カ月が過ぎ、5月から始まるツアーの準備も、考えあぐねながらですが、進めているところです。